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がん5年サバイバー生存率が公表されました

がんは、日本人の死因の1位を占める疾患ですが、早期に発見し適切な治療を受けることで、生存率を大幅に向上させることができることが、本年2月に公表された国立がん研究センターのがん生存率集計で明らかになりました。

 

以下は、日本人に多い大腸がんのステージごとの生存率です。

 

大腸がんステージ別【10年生存率】

Ⅰ期  79.2%

Ⅱ期  70.7%

Ⅲ期  61.6%

Ⅳ期  11.6%

 

がんの早期発見は生存率に直結し、定期的な健康診断やがん検診の受診が重要であることが、このデータからもわかります。

 

さらに、今回の集計では単純な生存率だけでなく、「サバイバー生存率」も公表されました。

サバイバー生存率とは、診断日からの経過期間ごとに、そこからさらに〇年間生存できる確率を示しています。

 

公表された5年サバイバー生存率で、1年経過後の5年生存率、2年経過後の5年生存率・・・が示されています。

 

大腸がんⅠ期の5年サバイバー生存率

0年  82.4%

1年  82.5%

2年  82.1%

3年  82.0%

4年  81.5%

5年  80.6%

 

大腸がんⅣ期の5年サバイバー生存率

0年  17.0%

1年  23.0%

2年  30.9%

3年  41.2%

4年  52.0%

5年  60.2%

 

Ⅰ期の場合、生存率の変化はほとんどありませんが、Ⅳ期の場合は5年生存した後の5年生存率が60.2%まで上昇しています。年齢やその他の要因によって異なるとはいえ、前向きに治療に取り組む希望を持てるのではないでしょうか。

 

しかしながら、がん治療は選択肢が多く、長期にわたるうえ、

勤務の継続が難しくなるケースもあり、経済的な負担が伴います。

 

【1】治療にかかる総費用の目安

  • がん治療の平均総費用:
     約78.9万円(国立がん研究センター「がん対策情報センター」調査より)
     ※保険診療分+保険外負担(自由診療、先進医療、差額ベッド代など)を含む
  • 民間の生命保険会社の調査では、
     「がんにかかった場合の自己負担総額」は100万円を超えるケースも多いと報告されています。

 

【2】治療内容ごとの費用例(自己負担分)

治療内容 自己負担額(目安・3割負担の場合)
手術 20~40万円
抗がん剤 月5~15万円(治療が長期化する傾向)
放射線治療 約20万円以上(通院の場合もあり)
入院費 1日あたり1~3万円(差額ベッド代含む)

【3】高額療養費制度があっても…

たしかに「高額療養費制度」によって、一定以上の医療費は払い戻されますが、

  • 一時的に自己負担で立て替えが必要
  • 食費・交通費・収入減などは対象外
  • **先進医療(例:陽子線治療)**などは全額自己負担
     →例:陽子線治療 約250万円

 

【4】見落としがちな間接的な出費

  • 仕事を休むことでの収入減
  • 通院や治療の付き添いにかかる家族の交通費・宿泊費
  • 自宅療養や介護のための設備購入やサービス利用

このように、がん治療は「いざという時」に大きな経済的負担となる可能性があります。医療費そのものに加え、生活費・収入減・精神的ストレスなども重なるため、早期発見のための検査はもちろん、がん保険や医療保険などの保障内容が適切かどうか、再確認しておくことが重要となります。

 

ご自身の備え方がご心配でしたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。確認だけでもお手伝いいたします。

 

ご参考

登録生存率集計結果閲覧システム
(がん種類、見たい生存率を選択するとステージごとの生存率が表示さあれます)

https://hbcr-survival.ganjoho.jp/search

 

10年生存率集計報告書
(27ページ以降にがん種類別の10年生存率、68ページ以降にサバイバー5年生存率が記載されています)

https://ganjoho.jp/public/qa_links/report/hosp_c/hosp_c_reg_surv/pdf/hosp_c_reg_surv_10_2012.pdf